ハセガワ E30 E-2C ホークアイ 航空自衛隊
E-2Cホークアイは、空中早期警戒機(AEW)です。 空中早期警戒機は大型のレーダーを装備して、 広範囲の敵影を空中から探知し友軍に警戒を呼びかけると共に、 対抗するために離陸した味方戦闘機など正確に誘導管制を行う機体です。 アメリカ海軍は、1945年以降様々な固定翼機や飛行船を使用し 空中で敵影を探知する試みを行い実用化してきました。 1950年代後半アメリカ海軍は作戦指揮システムを革新するため、 当時発達していたコンピューターや高速データ通信を使用した システムを作り上げる海軍戦術データ・システム(NTDS)構想を打ち立てました。 後に広い探知範囲と情報伝達能力の高度化を計った 空中戦術データ・システム(ATDS)計画が1955年に発表されました。 このシステムを搭載するために開発されたのがE-2シリーズです。 1960年10月21日空力試験用の機体が初飛行しました。 1961年4月19日には通算3号機に当たる機体がADTS搭載機として進空しました。 これらの機体はE-2Aと命名され1964年1月19日に実戦部隊配備が行われました。 その後セントラルコンピューターを換装したE-2Bが開発され、 多くのE-2AがE-2Bに改修されました。 E-2Cは、総合能力の向上が図られた機体で、 レーダーはAN/APS-125に換装、他の機材も新型に入れ替わり、 新たにパッシブ探知システムも搭載されたため A、B型より機首が37cm延長されています。 このためE-2Cは能力、信頼性共に大きく向上しました。 E-2Cは基本形のグループ0が100機生産され、 その後レーダーをAN/APQ-138に換装したグループIが18機生産されましたが 後にレーダーはAN/APQ-139に換装されています。 この後、目標探知能力が大幅に向上した AN/APQ-145 に換装したグループIIが36機生産されています。 現在は、電子機材のデジタル化やミッションコンピュータの改良などを図り プロペラブレードを8枚に増加したホークアイ2000が21機生産される予定です。 E-2Cはアメリカ海軍を初め航空自衛隊、 イスラエル空軍、エジプト空軍、シンガポール空軍、フランス海軍、 メキシコ海軍、台湾空軍、アラブ首長国連邦空軍などで使用されています。 航空自衛隊では、1976年9月6日のMig-25亡命事件で途中Mig-25を見失いました。 このため早期警戒機E-2Cが導入されました。 13機の調達で三沢基地に配属されています。 機体は4号機までがグループ0、5号機以降がグループIですが 9号機以降はレーダーをAN/APQ-139に換装しています。 またアメリカ海軍と同様にホークアイ2000仕様にアップグレードされる予定ですが、 8枚プロペラブレード採用は見送られる予定です。 キットは完全新金型で4枚プロペラブレード装備の「ホークアイ 前期型」を再現。 ロートドームはポリパーツ内蔵により旋回可能。 機体下面のアンテナは新・旧選択式。 フラップは上げ下げ選択式。 車輪は自重変形タイヤを採用。
〈データ〉
乗員:5名 全幅:24.56m
全長:17.6m
全高:5.58m
最大離陸重量:24,680kg
エンジン:アリソン T-56-A-427 ターボプロップ
出力:5,100shp/13,850m×2
最大速度:620km/h 飛行航続距離:2,800km
最大飛行時間:6時間30分
初飛行(YE-2C):1971年1月20日
デカール(マーキング) 航空自衛隊 警戒航空隊 第601飛行隊 所属機「456」「452」(三沢基地) 警戒航空隊20周年記念塗装機「462」「454」(三沢基地:2003年)