ハセガワ HC14 ランボルギーニ イオタ SVR 1975
ランボルギーニ・ミウラは1966年3月のジュネーブショーで正式発表されました。 車名はスペインでもっとも勇敢な闘牛 の名を冠して"ミウラ"と名付けられ、 全高わずか1,080mm、前後のカウルがレーシングカーの様に開閉し、 ヘッドランプはポップアップ式で睫毛のよう ね飾りがミウラのアイデンティティとなりました。 ミウラの開発は非常に難航し、横置きミッドシップエンジンは信頼性不足で、 後輪への荷重が高くシャーシー剛性が不足し、ハンドリング上の欠点も明らかでした。 ギアボックスのトラブルや車内の振動・騒音など、問題山積。 しかし正式発表以降、ミウラの評判は急上昇でした。
P400:こうしてプロトタイプ同然のまま量産プログラムを移されたP400は、 1968年初め不足していたシャーシ剛性を強化、ハンドリングの向上により、 振動・騒音の低減にも寄与しました。 同年5月から70扁平タイヤが装着されるのと同時にサスペンションのアライメントを変更、 フロントシャシーの一部 も設計変更されています。
P400S:P400の発展型として主な変更点はエンジンの最高出力を20PS、 最大トルクを2kg-m増加させ、発生回転数は400r.p.mも高く、 P400で不評だった内装も大幅に手が加えられました。 1970年4月からは前後にベンチレーテッド・ディスクブレーキが標準採用されています。
J:1970年春、1台のスペシャル・カーが製作されました。 基本デザインは生産型ミウラと同じものの内容は完全なレーシング・マシーンでした。 ホディは すべてアルミ製、車重はわずか880kg、 FIAのスポーツ法典J項プロトタイプ・クラスの車輛規則に準じて作られたため"J"とし、 のちにイオタと呼ばれました。 しかしこの1台のイオタはレーシング・スペックのまま顧客に渡り 1972年8月2日全損事故を起こしスクラップになってしまいました。
SVR:1968年型のミウラP400Sをベースに全損事故を起こした イオタの開発コンセプトを継承したモデルです。 1975年11月から改造をはじめ翌 年4月に出荷、 エンジンはドライサンプ化されたV型12気筒DOHCを400ps/8500rpmにチューニング。 エンジン強化に伴ってダンパー、スタビ ライザー、ディスクブレーキなど、 シャシーまわりでの改造が図られました。 外観上では固定式ヘッドランプ、フェンダー後端のエア・アウトレットや大きく張り出された リア・フェンダー・フレア、そのフェンダー内に収められるBBS製メッシュホイール、 ルーフ後端に備わるリアウイングなど固有のディテールを持つことから特別にSVRと名付けられました。
<データ>P400SVR
全長:4,390mm
全幅:1,850mm
ホイールベース:2,504mm、
エンジン形式:水冷60度V型12気筒4バルブDOHC、
ボア×ストローク:Φ82.0×62.0mm
総排気量:3,929cc、
圧縮比:10.7:1
最高出力:400PS/8,500rpm