ハセガワ C11 F-106A デルタダート
F-106Aは前作 F-102A デルタダガーの発達型として開発された 全天候迎撃戦闘機で、当初はF-102Bと呼ばれていました。 F-102に搭載されたJ57エンジンに比べて 50%も推力の向上したJ75を搭載したF-106は マッハ2級の迎撃機に成長したのです。 F-106の最大の特徴はそのファイアー・コントロール・システムにあり、 当時のアメリカ本土の半自動化迎撃システム、SAGEと一体となった デジタルコンピュータ、ヒューズMA-1を搭載しているため 完全自動化に近い高度な迎撃能力を有していたのです。 もちろんレーダーや航法用の機材も最新鋭のものが備えられており、 極めて高度な全天候能力を持っていました。 武装はミサイルが主体で、 胴体中央部にミサイルベイを有しているため ミサイルを露出させないで搭載でき 速度が制限されることがありませんでした。 搭載ミサイルは1.5KT級の核弾頭をつけた非誘導ミサイルAIM-2 ジーニ1発と AIM-4F/G スーパーファルコン (赤外線ホーミングとセミアクティブホーミングの混載)4発、 ただしジーニを搭載することはあまり無かったようです。 F-106Aは1959年6月からアメリカ空軍の航空宇宙軍団(ADC)に配備され、 その後1980年代まで主力迎撃機として使われ続けてきました。 F-106は基本的には核ミサイルを搭載した ソ連の大型爆撃機の侵攻を阻止する目的で開発されたため、 戦闘機との格闘戦への考慮はあまりされておらず、 そのため固定武装をもっていなかったのですが、 デルタ翼による低翼面荷重が高機動性をもたらしたため、 格闘戦用にミサイルベイにM61バルカン砲を搭載する改修を施したこともありました。 しかし、結果的にF-106は大きな戦闘を経験ることなくその一生を終えています。
《データ》
乗員:1名
全幅:11.67m
全長:21.56m(含ピトー管)
全高:6.18m
最大離陸重量:15,875kg
エンジン:P&W J75-P-17
推力:7,800kg(ミリタリー)11,100kg(A/B使用時)×1、
最大速度:M2.0~2.3/12,200m
固定武装:なし
搭載ミサイル:AIM-2A/B ジーニ×1・AIM-4E/F/G スーパーファルコン×4 初飛行:1956年12月26日